情報収集はしてるのにイマイチ成果に結びつかない人にこそ読んでほしい【書評】アクションリーディング
赤羽雄二さんのアクションリーディングを読んだ感想を書きます。
アクションリーディング 1日30分でも自分を変える"行動読書"
- 作者: 赤羽雄二
- 出版社/メーカー: SBクリエイティブ
- 発売日: 2016/05/26
- メディア: 単行本
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なぜ読んだのか
余談ですが0秒思考の概要、効果について圧倒的に分かりやすくまとまっているブログがこの記事を紹介しておきます。年下の方が書いているようですが、とても勉強になります。
話をアクションリーディングに戻します。目次はこんな感じ。
序章 「読みたくても本が読めない」5つの理由第1章 なぜ、できる人は忙しくても本を読むのか第2章 できる人は忙しくても、なぜ本が読めるのか第3章 短い時間で、読んだ内容を身につける「集中読書術」第4章 できる人は、読んだ本をどう活かすか第5章 ムダな本で時間を費やさないために
私の場合は、読書することの価値や、時間術の部分よりも読んだ内容をどのようにして「活かして」いくかというところに興味があったので、後半部分がとても参考になりました。
以下参考になった部分を転記してきます。
学び1:読んだ後の行動にフォーカスしよう
■本は読みすぎもダメ、読んだ後の行動が大事
・一定以上読んだら行動につなげる。一定の目安は月4冊
・とは言っても読む時間はある、読みたいというときは他の行動の優先順位を上げる。他の行動とは
もっと優先順位の高い仕事ができないか
他の情報収集(ネット、展示会、勉強会、人に会う)ができないか
もっと感性を豊かにする活動ができないか
もっとプライベートが充実できないか
一貫して主張されているのは、「本に対して受け身にならないこと」。「読書の際に目的をもとうね」というアドバイスはよくあると思うのですが、読む目的を改めて考え直した時、その目的を達成するための「HOW」は意外とその本を読むことじゃなかったりすることって結構ありますよね。
例えば、仕事で成果を出すためにビジネス本を読みあさるんだったら、その時間を使って自分の仕事の仕方を振り返ったり、戦略を立て直す方がよっぽど近道だったり。部下とのコミュニケーションについて悩んでるから本を読むんだったら、部下と飲みに行って腹を割って話した方がよっぽど近道だったり。
そういった場合は、その本を探す時間、読む時間を思い切って、他の行動に焦点を当てた方が目的を達成するためには筋が良いこともあります。「無目的に受け身で読書をするくらいだったら、読まない方がいいよ」と読書本なのに読書を否定しているようにすら感じさせる思い切りの良さ。自分にとっての読書は、極めて受け身であり、もはや「逃避」ですらあるということに気がつかされました。
学び2:戦略的に読む本を絞って体系的に知識を深めよう
■5年後の講演へのプランを立てる
- 5年後の目標を踏まえて「1年後自分はどういう人になりたいか」「どういう評判を得たいか」「どういう場でどういう講演がしたいか」「具体的にどういう講演タイトルを狙いたいか」「その講演に関してどういう人がすでに講演しており、競合になるか」を1ページに整理する
- その目標に向かって、本を読むと同時に、関連分野のキーワードを数10個アラートに登録。毎日記事を見て、知見を深める
- 自分のブログに書くタイトルを20個ほどリストアップ。
- ブログを週1〜2本書く。それを3000〜4000書こう
学び3:立てたアクションプランをちゃんと振り返ろう
読んだ後のアクションをしっかりと考えよう・行動をどうするか、考える時間をもうける。・その際に、この本で学んだことを生かして3ヶ月後にどうなっていないか・それを定期的に振り返り日を入れる
これも今までなかった視点ですね。「行動を変えることは大事!」ということがわかっていて、アクションプランは立てるのですが、本当にそのアクションプランが実行されているのかトラッキングする機会は皆無だったのが、以前の私。典型的な思いつき人間で、次から次へと新しい自己啓発本やノウハウ本に手を出すのではなく、読んだ時間を投資と捉えて、行動を変えることで確実に回収する。というやり方に変えてみようと思いました。
そこで、読んだ後のアクションプランだけにフォーカスしたグーグルスプレッドシートを作成し、管理することにしました。そのリンクをグーグルカレンダーで定期的にリマインドすることで、読んだ本をアクションに落とすことができているのか、トラッキングする仕組みを作りました。
▼こんなかんじ
読後、自分がどのように変わったか
「セコイ」と評判のカラダファクトリーの巧妙な営業トークをレポートしてみる
本日初めてカラダファクトリーという骨盤整体に行き、気がついたら2ヶ月プランに申し込み、3万円近い料金を払いました。これから月に3回のペースで通うことになりそうです。全くそんなつもりはなかったのに、気がついたらなかなかの出費を意思決定をすることとなりました。
カラダファクトリーに入店したきっかけ
私のカラダの状態
巧みな営業その1:徹底した不安喚起
骨格の模型を使い、「どれくらい僕の骨が歪んでいるか」「どれだけ無理をしている状態か」を丁寧に説明してくれます。痛みがない状態なのであまりピンときてなかったのですが、「そんな状態だったのか」と不安になってきます。そして極めつけの一言。
巧妙な営業その2:その場でわかる効果保障
巧みな勧誘その3:サンクコスト理論
まとめ
部下や新人の育成で苦労してる人へ 【書評】マンガでわかる!マッキンゼー式リーダー論
本を手に取ったきっかけ
4月が始まり3週間。新たな年が始まり、新しい部下を持つことになったり、初めてマネジメントを行う人もいるかもしれません。
私も、部下というわけではありませんが、一つのプロジェクトで数名に対してリーダーシップを発揮していくぞ!と意気込んでいました。ただし、自分の能力不足やコミュニケーションの拙さ、リソースの少なさからどうもチームが上手く回っていないような感じがしていたときに本屋で何気なく手に取ったのがこの一冊。
著者の赤羽さんのゼロ秒思考 頭がよくなる世界一シンプルなトレーニングという本を過去に読んだことがあり、とても実践的かつ、役に立つ思考法だった印象だったため、購入して読んでみました。書店には「マッキンゼー式」とか「ボストンコンサルティング式」などのタイトルが並んでいる本があまたありすぎるため、やや敬遠していたのですが、読んでみて、大きな学びがありました。
マンガがメインで、1時間もあればさくっと読めてしまうので、オススメです。
内容
趣旨を一言で言うと、「威厳を示したり、命令するだけのリーダーしっぷは人はついてこない、部下に関心を持ち、尊重し、真剣に向き合うことが重要である」ということ。
そのための手法として、
- アクティブリスニング:部下の話をよく聴くこと
- ホワイトボード活用術:ミーティングをリーディングすること
- アウトプットイメージ作成アプローチ:能力の足りてない社員へのサポート
- 業績・成長目標合意書:部下の「長所」「業績目標と成長目標」「成長課題「成長課題へ本人・周りがどう取り組むか」
が紹介されています。
「ホワイトボード活用術」や「アウトプットイメージ作成アプローチ」も、普段自分が抱えている課題をダイレクトに解決する手法としてとても役に立ちましたが、一番の学びはズバリ「アクティブリスニング」。
とにかく部下の話を相手が「全部気持ちを吐き出せた」という実感をもてるまで、しっかり聞きましょうということです。
その際のポイントは以下の3つ。
- 話を遮らない
- うなづくことや、相槌や、メモを取ったり、姿勢を前のめりにするなど、聞いている姿勢を伝える
-
質問する
示唆とアクション
そんな当たり前のこと・・・と思われるかもしれませんが、これが意外と難しいんです。私は、相手が話したいことを理解しようとする前に、自分の意見を言ってしまったり、ついつい命令してしまっているような感じになってしまう傾向がありました。はっきり言って一緒に働く上で最低なリーダーシップを発揮していた自分を深く反省。
私が一緒に働いているメンバーは、自己主張が強く、自信過剰なアメリカ人だったり、能力はるあるものの、プライドが高く失敗を恐れて自分の範囲以外の仕事を一切行おうとしない女性社員だったりと、あれしろこれしろというだけではなかなか動かないのが現状。
そんな彼らに対して自分は成果を出すためのリソースとして彼らを捉えてしまっていたところがあり、一人の人間として彼らの声を真剣に聞き、真剣に向き合うことができいなかったなと。
この本を読んだ後、彼らに対する自分の態度を変えてみたところ、彼らとの合意形成がこれまで以上に容易になった気がします。具体的には、彼らと1on1の時間を設け、その時間は徹底的に彼らの話を聞き、サポート・コラボレーションするためにどうしたらいいか?を彼らと一緒に話しました。その際にも、とにかく聴くことに徹する。そして質問することを繰り返す。
彼らが言いたいことを全て言い終わった後に自分の方から少しを話をすると、驚くほどすっと入っていったようでした。彼らをより理解しようとすることで、彼らのことをこれまでより深く知ることができ、何より、彼らのことが好きになりました。
優秀な学生や社会人を採用することで有名なP&Gではリーダーシップには5つの要素があると言われています。
Envision - ビジョンを描く
Engage - 外部とコラボレーションする
Energize - 力を引き出す
Enable - 障害を取り除き、パフォーマンスを最大化させる
Execute -実践する
EnvisionやExecute以外のリーダーシップを発揮することがこのチームでの自分のミッションなのかなと思った4月でした。
本田圭佑のレジリエンス
本田圭佑がやっとゴールを取りました。すごいですね。イタリアメディアは手のひらを返したように賞賛しています。サッカー:本田圭佑 483日ぶり弾を地元紙ズラリ絶賛 - 毎日新聞
エナジードリンクとしての本田の言葉
最近、仕事で少し追い詰められることが多い日々でした。今朝、自分が圧倒的に周りに追い詰められている夢をみました。具体的に他人に何かを言われているわけでもないですし、むしろ結果が出てきつつあるのに、本質的には自分が出しているバリューに納得がいっていないのだと思います。
朝から追い詰められてるな〜と笑ってしまいましたが、自分なりに不安やモヤモヤを書き出して一息ついてもしっくりこなかったので、自分にとってのエナジードリンク的な存在である本田圭佑のインタビューを電車に行く途中に見てみました。こういったすがり方をするのは久しぶりでした。
「勝ちたいなら俺を出せ」本田圭佑の"本音"に中山が迫る 〜苦境の2015年から紐解く 報道ステーションインタビュー
3分あたりからとてもドラマチックな展開です。
圧倒的な意志力と、筋の良い仮説を行動に落とし込む実践力、そして圧倒的なレジリエンス
勉強になったのは次の3点です。
・意志力
首脳陣、メディア、ファンから不当な評価を受けていると感じた時の発想の仕方。「自分がいなくてこのチームが勝ち続けるのであれば、その時は去るしかない。ただ、勝つためにはかならず自分が必要になる時が来る」と信じ続ける意志の強さ
・客観的分析に基づいた戦略性
通常ならば限られた出場期間にすべてをかけるべきところを逆張りし、長時間出場した際に結果が出せるようなフィジカルコンディションをするという筋の良い発想。そして絵に描いた持ちで終わらせない、きちんとした打ち手に落とし込む実践力。試合に出られない状態に対し、「苦しい」という主観的な状況の捉え方に対しては納得していない様子で、「デメリット」という言葉を使う客観的な視点はさすがです。
・逆境を前向きに捉えるレジリエンス
人生は山谷があるもの。谷は深ければ深いほどよく、深い谷に落ちた人間こそが栄光の山を掴めると。「こんな苦しいこと、経験したことないだろう」「自分はラッキーである。みすみすこの時期をさけるのではなく、正面衝突していかなくては」と状況を前向きに捉える精神力。ちまたではレジリエンスと呼ばれているものです。
年末のインタビューで語られていたことを全て現実へと変えてしまった本田圭佑の逆境を跳ね返す力、あっぱれです。
最後に。本田圭佑のメッセージ
別の動画になりますが、本田圭佑が子供に向けて送っていたメッセージは同い年くらいの自分にとってもとても刺さるものでした。
・夢を持て。それもなるべく大きな。
・それを毎日思い出せ。それが難しい。
・決して諦めるな。これが一番難しい
アスリートの言葉は大変参考になります。アスリートつながりで、新年に設定した目標を少しずつ忘れかけてたので、再度下記の記事を思い出し頑張りたいと思います。
2016年間違いなく来るであろうFinTechとジャイアントキリングについて
「人工知能」の2015年、「FinTech」の2016年になる
ちょうど去年の今頃、「機械学習」というワードが少しずつ流行り始めて、グーグルアラートに関する記事が日に日に倍増していき、今ではすっかり市民権を得た感のある「人工知能」。2016年のホットテーマになる予感のある巷で話題のFinTeckについて書きます。Finance(金融)とTecnology(テクノロジー)を掛け合わせた造語です。
余談ですが、ちきりんさんがゲームブームに対する分析で「ゲーム業界で大儲けしてた人は、ゲーム業界に専門性があったわけではなく、少しだけ早く入ってきて、大儲けした」ということが印象に残ってます。おそらくFinTechはもう流行り始めているので本格的に参入し儲けるには遅いのかと思いますが、巷の動きがどうなっていくのかを見ているだけでも面白いかと思います。
んで、要は何?
FinTechのポイントをあげるとすると
- テクノロジーの発達によって金融業界の地図が劇的に変わる
- USではすでにその傾向が起きていて群雄割拠状態。
- その流れに合わせて人材の確保も競争が激化している。
あたりでしょうか。
FinTechには「個人的財務管理」「融資」「決済」「投資・経営管理」「暗号通貨」などさまざまなジャンルがあるのですが、もっとも身近でわかりやすいものといえば、ズバリ、マネーフォワードというサービスでしょう。
以前、このブログでもその便利さを紹介しました。私は大ファンです。
FinTechというワードに「なんだっけ」となったり、会話の中でマウントとられそうになったら、「マネーフォワードとかね。」と相槌を打っておけばその場をしのぐことはできるでしょうw
金融機関も変わる
融資の領域で通常数週間かかるものがBig Dataをもとに信用残高をシュミレートすることで約6分で完了したり、決済の領域では圧倒的なリアルタイム性や暗号化技術を用いてもっと便利になったりするサービスがどんどん出てくることに金融機関もあぐらを書いていられない状況です。
例えば、ユーザーファーストの哲学を実践しているaffirmというサービスはイーコマースの購入履歴などを元にインスタントにローンが組めるサービスです。サブプライムローンによってお金を借りられなくなったそうに対してSNSなどの信頼を元に融資します。ホリエモンが以前言っていた「お金は信頼」という世の中がどんどん実践されていく実感です。 ※参考:竹中先生、「お金」について本音を話していいですか?
個人的な好みですが、子供の頃から「源平の合戦で、貴族にとりいって欲望の限りを尽くしていた平家を野武士軍団の源氏が倒す」歴史にロマンを感じたり、「圧倒的優位と言われていた巨人をヤクルトがID野球で打ち負かす」瞬間だったり、予定調和が崩れることや、知恵によるジャイアントキリングが好物の自分にとっては、この金融業界を襲うクロフネと、それをしなやかに対応しようとするジャイアントの攻防に非常にロマンを感じました。
メガバンクもこぞってこの領域で新サービスをリリースしようと躍起です。そしてそのキーになるのは柔軟な発想ができる外部の人材であり、サービスを実現できる技術者です。どの銀行もその方針をはっきり打ち出しているのが、興味深いです。無数のアリが巨大な象を倒す瞬間が近づいてきており、象はそうなるまいと自ら変化していく。その攻防は本当にワクワクします。
これまた余談ですが、うちの母親は世間知らずだったこともあり、「銀行」という肩書きに弱く、すべてを盲目的に信じてしまっていたり、「金融に行けば一生安泰。うちがつぶれるときは日本がつぶれるとき」とドヤ顔で思考停止していた人たちと意見が合わず、忸怩たる思いに駆られることが多かったからここまでFinTechに惹かれているのかもしれません。性格悪いですね。
日本より5年ほど先をいくと言われているUSでは先駆者である「square」に対抗するapple payやandorid payなどのスマホメーカー、JPモルガンと手を組んだウォルマートなどのMCX:マーチャント・カスタマー・エクスチェンジなどすでに陣取り合戦が始まっており、日本ではメガバンク、楽天、リクルート、ソフトバンクなどがどのような展開を見せていくのか、いまから注目です。
外観をざっくりつかむならコレ!
ちなみにこの本が圧倒的にわかりやすいです。
日米の業界の概観、先行者の今、楽天特集、地銀などそれぞれの今と今後の展望がわかります。「金融」領域のイメージが変わりますし、金融系敬遠してる就活生とか、金融業界でくすぶってる若者ににすごくオススメしたい本です。
ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるかや、IoT特集をしたダイヤモンドHarvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2015年 04 月号 [雑誌]
を読んだ時以来のワクワク感を感じました。テクノロジーが世界を変える。競争が加速されて、業界の地図が変わる。生活者が豊かになるサービスが生み出される。
すごくいい時代に生まれたなーと感じる瞬間です。
話逸れますが、 ゼロ・トゥ・ワン―君はゼロから何を生み出せるかについて書いたのがこちら。
まとめると
Fintechが巻き起こす業界のジャイアントキリングに期待。そしてマネーフォワード最高ということでしょうかw
【書評】問題解決プロフェッショナル②:ビジネスマンとしての基本スタンス
前回の続きです。本全体のまとめはこちら。
今回の「ゼロベース」と「仮説思考」というのは、ドラクエで言うと、「ちから」「すばやさ」「たいりょく」的な能力に相当するもので、次の章で書かれている「MECE」「ロジックツリー」などは「どうのつるぎ」など装備のイメージ。いくら装備が良くてもちからが弱いと話になりません。逆に言うと、これさえあればそこそこ戦えるというもの。
第1章の内容を要約すると下記のようになります。この二つができているだけでも、思考の質や、持つべき観点がぐっと広がり、自分が気がつかなかった打ち手や課題解決策が見えてくるように思います。
1、ゼロベース
- 自分の狭い枠の中で考えない
- 顧客にとっての価値を考える
- 時代もそれを求めている
2、仮説思考
- アクショナブルな結論を持つ :結論の仮説
- 結論を導く背後のメカニズムを考える :理由の仮説
- ベストにこだわるよりも、ベターを考える :スピード重視
1、ゼロベースについて
「あるべき姿から考える」ということに近いと思います。現状やcapabilityはいったん無視して、最高の姿、本来あるべき姿を考える。いまの逆を考える。ステークホルダーにとって、ベストな状態を、それぞれ一旦想定してみる。こういった時間を5分だけとるだけでも、普段課題の捉え方やゴール設定をどこに置くべきか、スコープをどこに置くべきか、が変わると思います。
特に大きな組織に属している場合、自部門でのリソースを元にした打ち手ベースから考えてしまいがちであり、それが本質的な課題解決にならない場合がたたあったり、競合観点の弱い独りよがりな打ち手になりがちかと思います。
その時に助けになるものの一つが「顧客思考」です。よく言われる話ですが、まずは顧客の視点にたって、何がベストか?を徹底的に考え抜く。
個人的にはあまたあるスタートアップの成否も、究極この思想があるか、実現できるリソースがあるか、に尽きると思います。たとえば最近話題のFintechで私が注目している企業にKabbageというUSの企業があります。
中小企業向けの融資・融資に掛かる時間をテクノロジーによって圧倒的に短縮しているのですが、:Apply Online to Get Small Business Loans | Kabbage(リクルート、中小企業・個人向けに無担保オンライン融資サービスを提供するKabbage, Inc. への出資を実施 | リクルートホールディングス - Recruit Holdings)などが、個人的にはこの発想を実践している企業だと思いますし、個人的にも頑張って欲しい企業の一つです。
銀行などの金融機関の規制などは無視して、顧客にとってのあるべき姿をまず考える。この発想を持っているかどうかがスタートアップの成否を分ける一つだと個人的には思ってます。
2、仮説思考ついて
- 最初はあてずっぽうでもいいから、結論を出す。その出てきた結論に対し、「So What?」を繰り返していく。その思考プロセスを繰り返していると、検証すべきことが洗い出されてくる。
- 状況の分析・解説で終わることなく、現時点での結論を出すことに大きな違いがあると主張します。”一つの具体的な結論が100の評論に勝る。”
- 現状よりも、ベターな状況が想定されれば、とにかく実行に移すことを考える。ビジネスに絶対的な正解はないのだから、アクションのスピードを上げることが重要。ベストな回答を出そうともたもたしているうちに競合に参入され、マーケットを独占され決着がついてしまっている可能性がある。
- 情報収集にかける時間と思考は40:60の法則がある。6割程度情報が集まったらまず思考してみる
この辺は自分にとっては本当に耳が痛い話です。マーケティグを担当していた際の企業がそこまでWEBに強くなく、大企業の横綱相撲的なプロモーションに終始していたせいもあるが、とにかくスピード感が足りないという実感がありますね。。
WEB業界であれば、”Done is better than perfect!”とPDSをとにかく早く回す会社しか勝ち残れないし、それで勝ったパターンが乏しく実感地として持てていないのは、すごく致命的な感じがしています。 個人的には、仕事が遅い人は十中八九この「仮説思考力」に乏しい人だと思います。
次回は、このスタンスを持って「MECE」「ロジックツリー」をどう使いこなしていくかということについて話したいと思います。
【書評】問題解決プロフェッショナル①:全体像
別の記事で書こうと思いますが、昨年の所感として「読書しているが、役立っている実感が薄い」と日々感じていため、今年は思い切って読む本の数を意図的に絞り、実践するということにフォーカスしてみる年にしようと考えました。選択と集中の考え方です。
- エッセンスの2割だけ読んで8割は捨てる
- 5冊読むより「1冊を5回」読む。
を参考にしました。
なぜ、この本なのか?
マーケティングをやっていたときも、新規事業に移って日々課題が山積みのときも、そして転職してからも、常々思っていたのが、「自分頭悪いな~」ということです。変化の激しい社会、前提条件がころころ変わり、しかも技術変革のスピードも速い社会で、どうも自分のやっていることが「筋が悪い」と感じることが多い。
コンサルの人間と対峙していても自分が「思いつき」だけで話してしまっており、根拠が薄かったり、説明している途中でロジックが弱いなーと感じることが多々ありました。
ご多分にもれず「元マッキンゼーが教える●●」とか「BCGで教わった●●」とかを読んでみるものの、納得感はあっても、長期的な視点で見ると自分の血肉なっているとは言い難い状態でした。
外資系コンサルが教える 読書を仕事につなげる技術
のなかで紹介されていた本書は
・これさえ読めば他マッキンゼー系は一切読む必要なし、と言い切られていたこと
・以前尊敬する人から薦められたこと
・過去読んだものの、使いこなせている実感がなかったこと
などから、精読する一冊と決めました。
この本をどう読むのか?
一冊精読するということで、読書前にきちんと向き合っておこうと思い、P&Gで使用されているOGSMフレームワークに基づき、本書を読む意義を整理してみました。
◆Objective (目的)
- 日々の大小さまざまな問題解決やプランニングフェーズで最も「筋のよい」解決策を見つける思考スタイルを身につけること。
◆Goal (ゴール)
- 意識せずともこの思考スタイルが身についている状態。
- 読んだ内容を「実践」できている状態
◆Strategy (戦略)
- 本の内容を完璧に理解し、人に説明できるレベルになるために、ブログで紹介したり、チームメンバーに考え方を伝授したりなどアウトプットを繰り返す。
- 1年間は本書以外の思考法系の本を一切読まない
- 徹底的に使いこなすために、自身が直近を課題を感じている公私の問題で実践してみる
◆Measure (評価)
- 上記ストラテジーを実施したか?
- 1年間終了した時点で、この思考フレームを使って解決した課題があるか?
本書の内容
前提がだいぶ長くなりましたが、本書を一言で表すとすると、ずばり
1.ゼロベース思考 × 仮説思考 というスタンス
2.MECE + ロジックツリー というスキル
を用いて
3.課題解決のソリューションシステムを実践する
ことで、もっとも筋の良い解決策が見つけられるよ、 ということです。
ちなみに、3の「ソリューションシステムをプロセス別に分解すると、
1.主要課題の設定 (比較を用いる)
2.個別課題の設定 (MECEでロジックツリーを作成)
3.個別解決策の提示 (直接的解決策を提示)
4.各個別解決策の分析 (およびデータの検証)
5.総合解決策の提示 (期待値、投入資源、リスク、スピードで判断)
というプロセスです。
あとはひたすら、その具体例やTipsが書かれてます。
次回から、一つ一つ、解説していこうと思います。
まずはベースのスタンスとなる「ゼロベース」「仮説思考」という二つの思考スタイルについて→【書評】問題解決プロフェッショナル② - ある外資系社員の告白