アルジャーノンに豚の生姜焼きを

読んだ方が元気になるブログになるといいなと思います。

【書評】2016年読み返したい2015年読んでよかった本ランキングトップ10 前編

昨年およそ100冊くらい本を読んだかと思うのですが、その中でも特に秀逸だった本を紹介します。

 

10位:なぜ日本人は、こんなに働いているのにお金持ちになれないのか?21世紀のつながり資本論

以前からホリエモンが言っていて、自分のなかで納得感の高かった「お金=信頼」という概念をより分かりやすく、世界一周を舞台に具体的に説明している本。これからの自分の働き方、生き方、お金との向き合い方を改めて考えさせられた。世界中のいろんな価値観に触れながら読み進められるのが面白く、印象に残っている。1時間もあればさくっと読めてしまうところもいい。

 

自分や家族の数十年後を見据えた時に、何を残すべきか?を考えることが多い人にオススメ。

 

9位: 絶歌

出版をめぐり賛否両論があった本。紹介することに抵抗がある本だけど、価値観を大きく揺さぶられた一冊であることは事実。出版の是非についていろいろ思うところはあるのだが、一番印象に残っているのは、少年Aの弟から少年Aに向けて書かれた手紙の部分。

 

少年Aの弟が「自分の力を超えた不条理以外のなにものでもないこと」を受けとめ、それでも生きていこうとする姿勢に心の底から、感動した。だれかも言っていたけれど、被害者にも、加害者にもなりえるのが現実社会。そのなかで生を与えられた存在として、「自分は生を全うし、幸せに生きる、誰かを幸せにする義務がある。」と強く思わされた一冊だった。

 

目の前のことに忙殺され、当たり前の幸せを見失いつつある人にオススメ。 

絶歌

絶歌

 

 

8位:なぜ、この人と話をすると楽になるのか

個人的なことになってしまうのだが、会話中、議論好きのせいか必要以上にマウントをとろうとしてしまうところや、「理屈っぽい」と言われてしまうことに常々自己嫌悪と課題感を感じているときに手に取った一冊。「人見知りしない」ということを自分の武器としてより活かしていくために、会話の楽しさを意識的に訓練するということに興味があったため、とても勉強になった。

 

・「会話は協力型のゲームであり、二人が楽しくなったら勝ち」

・優位に立とうとしない3つのテクニックである「褒める」「驚く」「おもしろがる」

・会話のなかで相手に気持ちよく「ドリブル」させる。

 

などなど発見がたくさんあった。読んだ後、改めて人とのコミュニケーションを俯瞰で分析してみたり、実践してみるとさらに面白い。当たり前だけど、カットインされまくるとうざいな〜とか、この人自分の話ばっかしてるな〜とか。

 

話し下手だったり、初対面の人間と話をするのが苦手だなぁと思うことがある人にオススメ。 

 

7位: 職業としての小説家

職業としての小説家 (Switch library)

職業としての小説家 (Switch library)

 

 

村上春樹のエッセイ集。一番感心したのは村上春樹が、小説家にありがちな「書きたいけど何を書いたりいいのかわからない」といった類のスランプを一切作らない仕組み作りをしていること。

 

小説は書きたいと思ったときに書き、それ以外のときは翻訳やエッセイによってうまく自分のポートフォリオを組みつつ、書きたくなる時まで待つ。このやり方は、未来の自分の働き方にとって、とても示唆のあるものだった。

 

一つの作業を続けるというのはどうしても忍耐力を必要とし、活動自体が楽しくなくなりがち。そこを避け日々楽しく生きていくためのポートフォリオを、いかに仕組みとして作れるかが重要だと感じました。

 

そのほかにも、 

・小説を書くというのは、「たとえば」を繰り返す作業である

・小説家が芸術家である必要はない。芸術家である前に自由人であるべき

・読書によって視野を相対化することが10代の自分にとって一番意味があった

などなどとにかく金言の嵐。大学時代に村上春樹の例えをノートに抜き書きしていたことを思い出しました。村上春樹は賛否両論ありますが、僕にとって、彼の文章に触れている瞬間はとても幸せな時間であることは間違いありません。

 

思考が行き詰まったり、少し視点を変えてものごとを考えたいな〜と思った時にさっと気分転換で読むのにもオススメ。合わせて今年出たラオスにいったい何があるというんですか? 紀行文集も旅行気分を味わせて合わせてオススメ。

 

6位:大前研一 日本の論点2016〜2017

ビジネスのシーンや、日常のコミュニケーションにおいて「ああ、この人頭いいなぁ」と思う人は自分で物ごとを考えられる力がある人。どこかで聞いたことがあるような話ではなく、一定の根拠をもちながらも、「思考の独自性」がある人に惹かれる。

 

おそらく日本で最もその力のある人の一人である大前研一さんが、国内外の社会情勢をわかりやすく解説してくれている本。物事を構造的に説明してくれるため、「なるほど、そうだったのね!」と納得感がすごくある。

 

アベノミクスって要はいいの?悪いの?

・なぜ沖縄から基地がなくならないか?

・日本の農業って今後どうするべきなの?

 

などなど、ニュースなどを聞いていても、いまいち問題の構造がつかめず「ああ、そんなこともあるよね」で済ませていた問題が、「問題の根本はここ、だからこうすべき、もしくはこうなっていく」などが自分の言葉で少し語れるようになる。構造的な考え方を勉強するケーススタディの材料としてもいいし、たぶん取引先との会話や、飲み会での会話にしれっとはさむだけでも「あれ、こいつ頭よくね?」と思われると思うw

 

ニュースをみても「なんかやばいな〜」としか思えない自分自身こそがやばいのかもと思っている人にオススメ。

大前研一 日本の論点2016〜17

大前研一 日本の論点2016〜17

 

 

5位〜1位はこちらから。

raditz.hatenablog.com