AKBのさや姉こと山本彩さんが紅白で教えてくれたこと
数年ぶりに紅白歌合戦を見たらAKBが総選挙やってた
数年ぶりに紅白を見たきっかけは、バナナマンの副音声。とにかく自由に言いたいことをコメントしまくるバナナマンが最高すぎましたね。
被災地に向けて「ふるさと」という曲をみんなで合唱する感動ムードのなか、「こんなときにいうのもアレですけど、数年前にラスベガスで年越ししててですね…」とか、
アンガールズ田中が五木ひろしの応援に出てくると「田中まじどこでもいるな!田中おそろしい!」と歌手とは全く関係ないところでひたすらアンガールズ田中の話を数分間膨らませたり、
乃木坂46に対しては日村が「乃木坂にブスはいないんだよっ!」と絶叫し、設楽が「他の軍団にブスいるみたいじゃないかw」がたしなめたりと、とにかく終始楽しい放送でした。
紅白なんて数年見てなかったし、今年も見る気はまったくなかったんですけど、なんだかんだで見切ってしまったのは間違いなくバナナマン先生のおかげでした。副音声聴きながら、ツイッター見ながら、友達とラインしつつ、紅白にツッコミを入れ合う。一方通行ではなく、マルチデバイスで共有しながら、エンターテーメントを楽しむ。完全にこれが新しいテレビの形だなと改めて感じました。
で、本題に入ります。
紅白のなかで不覚にも一番感動してしまったのが、生放送のなかでAKBが総選挙を行い、「さや姉」ことNMB48の山本彩さんが1位になったこと。放送中にランキングを発表し、1位になった人がソロで美味しいところ歌うという演出でした。
な、な、なんと、、、
— 山本彩 (@SayakaNeon) 2016年12月31日
【第1位】頂きました!!
パニック!!!!!!
応援して下さった皆さん
本当に本当に本当に
ありがとうございます😭😭😭😭😭😭#NHK紅白 #夢の紅白選抜 pic.twitter.com/rATjmgmqpB
私は特別AKBファンなわけではないのですが、山本彩さんの存在は知っていて
・AKBのなかで1人だけギターとかできて、ずば抜けて歌うまい。
・よくわからないけど、大阪のほうでリーダー的存在だけど東京のAKB来るとセンターとかではない。
・おっぱいおっきい。グラビアでよくみる。
・しゃくれてる。そしてそれをいじられてる。
という、なんというか、ビジュアルとかは別にして応援したくなる存在でした。
また、最近バラエティを見ていたら、「指原さんみたいにコメントしてくださいと言われるけど正直腹立つ」的な発言をしていて「アイドルも大変だなぁ」と考えているところでした。ちょうど仕事で「前任者はこうだった」とかをメンバーに言われたりして、必要以上に気にしてしまっていたりしたことと重なったからかもしれません。
で、まぁさや姉が1位になったので、「おお、よかったね〜」とツイッターで山本彩と検索してみたんですね、何の気なしに。上のほうに出てきた動画が、1人で「365日の紙飛行機」という歌を歌ってる動画でした。
不覚にも、1人感動し、ジーンとなってしまいました。(30歳・独身)
アイドルが歌を歌う意味とは?
正直、歌やギターが彼女より上手い人はたくさんいると思います。そして彼女よりかわいかったり、きれいな人もそこそこいると思います。だけど、彼女がこれまでメディアで見せてきた事前情報を知っていただけに、勝手に
「きっとソロデビューとか目指してがんばってるんだろうな」
「きっとよくわかんないグラビア撮影とかも嫌々やりつつ、クソ朝早い集合時間に文句も言わず、眠い目をこすりながらギターとか練習したんだろうな」
「きっと本当はもっと別の音楽が好きで、歌いたい歌とか演奏したいこととかあるんだろうな、でもせっかくのチャンスだから笑顔で頑張ってるんだろうな」
「そのへん全部飲み込んで、この歌歌ってるんだろうな、あ、なんかヤバイ。。。」
と、完全に自分の妄想のみで共感し、勝手に感動してしまいました。
そして、これが「アイドルにはまる」ということかと納得しました。
ついこないだSMAP×SMAPの最終回で見た「世界で一つだけの花」を歌う中居くんに異常に感動したのも、もちろんうまかったからでも演奏がすごかったからでもなくて、その裏にある中居くんの苦労に共感していただけだったということと同じかと思います。メディアというかなり限定的な情報をもとに、勝手に自分の中でストーリーを作り上げて感動する。それによって、赤の他人が歌う歌よりもはるかに感動することになると。
アーティストとして「何によって」人を感動させるかは賛否両論あると思いますが、私は上手い歌よりも、共感できる人が歌ってるちょっとくらい下手な歌のほうが感動します。そして、それは間違いなく誰かのエネルギーになります。それは事実です。
インタビューやバラエティを通じて、悩みや葛藤、うまくいかない部分や業界の理不尽などなどすべてを飲み込みこんで、理想にむかってあがく姿を惜しげもなく露出し、共感する人を増やしていくことで、人の心を動かす。
その姿に価値を感じ、ときには信じられないお金が生まれる。欧米と比較して日本でアイドルが生まれやすいのは、国民が比較的同じバックグラウンドや価値観を共有しているため、共感・応援しやすいからではないでしょうか。エンターテーメントとしては二流でもお金を払って応援したくなる存在になりえる文化的バックグラウンドがあると。
私たち一般人に置き換えると?
べつに私たちはアイドルでもなんでもありませんが、理想に対して足掻く姿や、失敗だったりを変に隠す必要はないのではないかと思うようになりました。その姿に人は共感し、応援したくなるはず。
パフォーマンスや結果とは別の次元でプロセスに感動や共感が生まれる。もしそこに価値があれば、それによって他人からお金や労力をいただくことができる。
もちろん過度なアピールはお寒いだけですが、ギターや歌をきっと練習してきたさや姉のごとく、自分のやりたいことには虎視眈々と地力をつけつつ、やりたくないグラビアをこなすさや姉のごとく、与えられた使命やチームのためにストイックに頑張れと言われているような気がしました。。
AKBは、組織としての寿命もあり、おそらく成熟期に入っているのだと思います。また若さという残酷な武器をもった新人がどんどん入ってきてめまぐるしく新陳代謝していく現状。そのなかリーダーとして、いちプレーヤーとして悩み、足掻きつづけ、そして最終的に栄光を勝ち取ったさや姉の姿は30超えたおっさんの心を鷲掴みにし、また今年も頑張ろうと思ったものです。いいものみせていただきました、本当にありがとうございました。
つい熱くなり、ナチュラルにさや姉、さや姉いってますが、私からするとびっくりするくらい年下です。ぜひ今後も頑張ってください。
※追記
とっくにソロデビューされてたんですね!アルバム買ってみようかな。